人材育成と街づくり「出前授業」

事業系NPO法人及び市民対象

  • 2005年~2008年の4年間 愛知県高浜市の「NPO・ボランティア活動による街づくり」をテーマに、「初心者向け」と「リーダー育成」と「NPO起業」の3部門で講座を担当しました。そこで取り上げたテーマを中心に紹介します。

ボランティアとNPOを区別して「街づくり」に取り組みましょう

  • ボランティアは「自主性」「無償性」の社会貢献活動ですので「雇用」は生まれません。NPOは「お金儲け(営利)」を主目的としない非営利の社会貢献事業として捉えていますので、「雇用創出」が十分可能です。
    ボランティアは「行ってきま~す!」と言って出かけて「ただいま~!」と帰ってきた時、財布の中身が同じと考えて下さい。「労働対価」をいただかないので増えませんが、ボランティアの受け入れ主催者の方は、交通費や昼飯代などの必要経費・実費分だけは負担してあげて財布の中身が減らない配慮だけはお願いしたいです。
    ボランティア活動で年金から出費されるのは困る‥ということで夫婦喧嘩になったとの相談もありますよ!

NPO事業の評価は「費用対効果」の追求と、それに見合った循環システムの構築にあり

  • NPO事業でも地域社会ビジネス同様に「費用は受益者負担で効果は現場にあり」を念頭に入れて展開しましょう。効果で重要なことは、「何をするか?」ではなく「人」や「社会」に対して、「何をもたらしたか?」との結果確認です。
  • 多くの営利事業者は「人」「物」「金」の循環システムを基に運営されていますが、我々のNPO事業では「心」「人」「謝金」の地域内循環に心がけています。「心」で「人」が動き・動かされて「謝金」が循環するシステムを可視化することで信頼をえます。
    活動会員さまが集金までして届けていただくケースもありますが、利用会員さまの「お困り事」に心を打たれて「何とかしよう」と動かされるのです。
    多くの活動会員さまは、40年近く会社などでお仕事を経験されているベテランですのでスタッフ全員が一緒になって作業現場で汗をながして対等にお付き合いすることが長続きするポイントです。

家族力・地域力を活かす為の人材育成

  • 自治体の財政難や少子高齢社会やニーズの多様化が加速するなかでの街づくりには、家族力や行政力の他にNPOなどの地域社会ビジネスが不可欠です。私利私欲をセーブして社会貢献事業に参加いただける「器」の大きい人材育成から着手しましょう。
    「器」は大の四方に四つの「口」が付いています。四つの口は、「身体」「心」「時間」「お金」と私は思っています。家族やお年寄りや地域社会など自分以外の人や社会に「四つの何れかを捧げる人」が器の大きい人であり人材育成のキーワードです。
    優しい心と健康な身体で片付け作業で時間を提供する人‥‥自分のお小遣いから孫や祖父母にオヤツを買ってあげる人‥‥など大小は問いません。
    最大の敵は「私利私欲」である‥ことだけはお忘れなく!